直感的「経済」学

直感的「経済学」

 

 直感的統計学(吉田耕作)という本がある。それにならって、高名付けたい本がある。「父が娘に語る経済の話。(ヤニス・バルファキス)」だ。

 

 もちろん直感で分かるほどの内容ではないが、まったくの経済学初心者でも読める(10歳代の娘あてだ)本で、難しい経済学用語は一切出てこない。読み終われば、お金への考え方が変わる。

 人類史に絡めて説明してくれているので、歴史的な教養も深まる。

 

 

「経済について語るとは、余剰によって誕生した、債務と通貨と、国家と信用について語ることだ」

 

① 「経済」の誕生

 農耕の誕生→「余剰」の誕生

 文字の誕生→「余剰」の記録

 

 未収穫のときの支払い(支払者にとっての「債務」→「通貨」)

 

② 経済を守るための仕組みの誕生

 「通貨」の「信用」を保証する、「国家」

 「国家」を維持するための「官僚」「軍隊」「宗教」

 ↓

③ 「借金」と「利益」追求の時代(宗教改革

 ↓

④ 「市場社会(資本主義経済)」の到来(大航海時代産業革命

  イギリスで起きた「囲い込み(エンクロージャー)

 すべてのモノが交換価値をもった

 生産場所・生産手段・労働力のすべてに交換価値が生じた

 

 

借金をすることで莫大な利益を手にすることが出来うる。

銀行の(黒魔術)は経済活動の増幅装置である。

国家は、中央銀行を介して銀行をコントロールしようとするが、強い権限を持ちにくい。

国債は経済の潤滑油である。

先行きへの不安が、「労働力」と「マネー」を動かす。

 

 

 

 

経済学は難しいので専門家に任せておこう、という考えではいけない。それでは宗教家にすべてを任せていた頃と一緒で、支配されてしまう。民主主義は完全ではないが、おそらく最善の方法だ。民主主義社会できちんと一票を投じるためには、各自が経済学について学んで知っておくことが大事だ。